人に憧れるのは人間の性・ないものねだり

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ないものねだりは人間の性

 

「隣の芝生は…」という言葉があります。
他人のものなら何でもよく見えるということのたとえです。
戦後、日本は経済大国となり、お金をだせば、欲しいものはたいがい手に入れられるようになりました。
加えて、情報通信や交通手段の発達。世界がとても狭くなり、マスコミはインターネットを通じて海外の状況が手に取るようにわかります。
ハンバーガーや、フライドチキン、ピザなどの食生活にはじまって、車からファッション、生活用品、住む家に至るまで、日本人は欧米文化をどんどん吸収しました。
真の国際化には、まだまだ多くの課題を残しながらも、見かけのライフスタイルだけはすっかり欧米化が定着した感じがあります。

 

自分にないものにあこがれるのは、古今東西、万人に共通したものでしょうが、特に現代の日本人にはその傾向が強いようです。
日本古来の伝統文化はそっちのけ。
何かというと海外に目が向き、よいと思ったらあこがれているだけでは気がすまない。
有名ショップでブランド品を買いあさるなど、行動抑制できない人がずいぶん目につきます。
自国の製品や、もって生まれた資質に対して、これでいいんだという堂々たる精神や態度が、日本人から陰を潜めつつあるようです。

 

髪の毛もその一つです。

 

今日までさまざまなヘアスタイルの変遷を見てきましたが、昨今は、ヘアスタイルにとどまらず髪の毛の色まで欧米化が進んでします。
黒髪より金髪のほうが映えるせいか、テレビCMや女性雑誌の誌面を飾るのは相変わらずスラリとした金髪美人たちです。
日常、こうした環境にさらされていると、髪の色も黒よりはもっと明るい金色や茶色がほしくなるのは必然です。
売れっ子の芸能人たちも、欧米系の顔だちや、スタイルをもった人達が人気となり、そのスターが茶髪で颯爽としたいでたちでいるのをみるとなると、ないものねだりはますますエスカレートします。

 

似合う似合わないにかかわらず、多くの人が茶髪に飛びつくようになりました。
日本女性の黒髪といえば、かつて美の象徴として外国からうらやましがられたものです。
今ではそんなホメ言葉など、まったく聞かれなくなりました。

 

それもそのはずです。
街を歩けば茶髪に当たる、それくらい黒髪の女性は隅に追いやられてしまっているのです。
日本人の約92%が直毛であるように、本来、黄色人種は直状線の黒髪であるのが普通です。
これに対して、白色人種は金髪や赤毛のカールやウェーブ、黒色人種はアフロヘアに代表されるような縮れ髪が特徴です。

 

神様は国の気候や風土に合わせて、最も理想的な肌と髪の毛の色の組み合わせを考えてくださったのでしょう。

 

ですが、ないものねだりは人間に性。
直毛人はウェーブにあこがれ、ウェーブのかかった人はストレートにあこがれます。
パーマ・染毛の技術や商品の開発もあり、その希望は難なくかなえられるようになりましたが、民族色も境界線がどんどん失われつつあります。